南風
2学年新聞・臨時増刊号その2(保護者版)
スチューデントカンパニー 今週に迫る
5月28日金曜日、5時間目のチャイムと同時に、2学年の総合学習の時間が始まった。マザー牧場から派遣されたインストラクターの指示が各企業に飛ぶ。「今日はいよいよ商品の製造です。仕入れマネージャーは材料を用意していますね。準備のできているところから製造作業を開始してください!」
小さなビーズ玉を用意して糸に通し始める会社、ロウソクを溶かして型に流し込む会社、その場で撮った写真をTシャツにプリントして販売しようとパソコンを用意する会社・・それぞれの作業が始まった。
トレーナー・・「あれ、この会社はどうしました? 社長さんがいないね。どこ行ったの?」
社員(生徒)・・「社長は今、出張中で〜す」
「えっ? 出張? どこへ?」
「君津の100円ショップに行ってま〜す」
な、なんと、今日の商品製造作業に足りない材料があって、仕入れ担当マネージャーと2人、自転車で昼休みから君津まで買いに行ってしまったという。う〜ん。問題点を指摘すればきりがないが、それにしても自分たちの前に立ちはだかる課題(材料が足りない→商品が完成しない→会社が倒産する!)を、君津まで自転車をこいでも解決しようとする姿勢・・・。ま、これも「生きる力」かな?
生きる力は身につくか?
昨年から全国の高等学校で始まった総合学習。普段の授業とは違った観点から生徒の「生きる力」を身につけさせることを目的とした授業だ。といってもやるべき内容はほぼ学校に「おまかせ」。我々も試行錯誤を繰り返してきたが、今年度1学期は、いよいよスチューデントカンパニー(起業家教育プログラム)に挑戦することになった。
各クラスに3〜4社、1社10人程度の企業を設立。社名はもちろん社長をはじめ、仕入れ・販売・宣伝・会計・製造の各マネージャーを決め、商品を企画し、コストを計算し、原材料を仕入れて製造し、実際に一般のお客さんに向けて販売する。販売はマザー牧場内の店舗(e-townイータウン)をお借りする。幸いマザー牧場にはこのような学校教育を支援するプログラムがあり、起業のための様々なアドバイスをしてくれるトレーナーを派遣してくれる。起業家教育トレーナー研修を受けた方たちで、普段は牧場内で営業や販売を担当するビジネスの第一線に立つ人々だ。
もっとも、いくら強力なアドバイザーがいても、考え、行動するのは生徒自身。社長以下全員が協力し、放課後の時間も使って早々と予定の数量を生産し終わった会社もあれば、意見がまとまらず会社が空中分解しそうになり担任から会社更生法を適用されそうになっている会社まで様々。
さて、当日、全社黒字決算に笑えるでしょうか??