ボトルネックの抽出と
アクティブデザイン型カリキュラムの開発


 生徒が科学的に探究する力や、学んだ知識や技能を活用するために必要な力には、様々な要素があります。例えば、課題発見能力や思考力・判断力、コミュニケーション能力などです。
 これらの資質・能力が順調に伸長していればよいのですが、すべてが順調であるとは限りません。順調に伸長しているものもあれば、どこかでつまづきが生じているものもあると考えられます。
 生徒の学力(広義の学力)を育成するためには、こうした資質・能力の伸長の状況を適確につかみ、不足している能力を補っていく必要があります。

[ボトルネックとは]
 課題発見から解決までの一連のプロセスの中で、何らかの資質・能力の不足が原因となって、生徒の活動が停滞・迷走する状態、及びその原因と考えられる要素をさします。
 こうしたボトルネックを抽出し、解消することによって、より効果的な資質・能力の育成が可能になると考えられるます。
 現在、本校ではこうしたボトルネックを抽出するための評価方法について研究を進めています。

[ボトルネックと考えられる要素]
 今はまだ研究の途中ですが、生徒たちの状況が次第に明らかになってきました。
@ 教科学力の活用能力の不足
 (過去に学んだ知識やスキルが他の探究に生かせる段階まで高まっていない)
A 計画力や企画力の不足
 (適切な仮説の設定や適切な実験手順の計画が十分にできない)
B 論理的な表現力の不足
 (根拠を示して表現する等、論理的な表現が十分にできない)

 本校生徒は、基本的に高い資質・能力を持っていますが、さらに一段、二段とステップアップしていくためには、これらの課題を解決する必要があると考えられます。
 現在、こうした課題に対する解決案として「学習モジュールによるアクティブ・デザイン型のカリキュラム」の開発に取り組んでいます。モジュール単位で短期間で評価と改善のサイクルを回し、ボトルネックの改善の状況を掌握しながら漸進的にカリキュラム改善を進めていくことを目標としています。


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