目の病気<5>

 
白内障
1 疾患の概念
水晶体が濁る病気です。
俗に「しろそこひ」といわれています。
白内障には、老人性白内障、先天白内障、外傷性白内障、併発白内障などがあります。
2 症状
濁りを通して見ることになるので、かすんで見えるようになります。全体が濁ると、磨りガラスを通して見ているのと同じになります。
(1)老人性白内障
70〜80歳になると多少なりとも全ての人に認められます。
一般に50歳以上で他に原因を見出せないものをさします。
程度の差はありますが、両側性で進行は緩やかです。
視力が障害され、日常の生活に支障をきたすようになったら、手術を行います。

(2)先天白内障
先天性に水晶体の混濁をみるものをいいます。他の眼の異常、全身異常を伴うこともあります。多くは両眼性ですが、片眼性のこともあります。混濁は淡いものから濃いものまであり、また出生後発生して進行することもあります。強い混濁のある者に対しては、なるべく早期に手術を行います。

(3)外傷性白内障
水晶体のう(水晶体を包んでいる袋)の破損部から水晶体の白濁が始まります。一般に白濁は進行し、早いものでは数日のうちに水晶体全体に及びます。経過を観察し、必要時には手術を行います。

(4)併発白内障
長期にわたるぶどう膜炎、網膜剥離など眼内の病気に伴って、水晶体の栄養障害をもたらし、白内障になることがあります。

(5)その他
糖尿病者に白内障を生じることがあります。
副腎皮質ホルモンの長期にわたる全身投与で、両側性の白内障が発生することがあります。
アトピー性皮膚炎、強皮症、ダウン症候群に伴って、白内障が生じることがあります。
3 日常生活の留意点
手術で水晶体を取り除いた場合は、メガネやコンタクトレンズで矯正が必要です。(手術の時に眼内レンズを挿入することもあります。)
手術後の無水晶体眼では、網膜剥離と眼圧上昇に注意が必要です。網膜剥離では打撲などの外力が危険なので注意します。眼圧上昇も打撲などが誘因となることがあるので、注意します。
4 教育上の支援
照明とコントラストへの配慮が必要です。机上面の照明を明るくするとともに、コントラストの良い教材を準備するようにします。まぶしさが強い場合は、弱視用拡大テレビ(CCTV)を活用するなどして白黒反転すると効果的です。
無水晶体眼では、遠視時と近視時にピントが合うような眼鏡などを作ることが必要になります。板書文字などの明視が困難であれば、遠用として手持ちの単眼鏡が有効です。また、強度近視の場合はレンズの収差が強くなるので弱視用拡大テレビが有効です。
5 参考文献
(1)「眼疾患 説明の仕方と解説」 金芳堂
(2)「現代の眼科学」 金原出版
(3)「リハビリテーション医学全書12 視覚障害第2版」 医歯薬出版
緑内障
1 疾患の概念
 視神経が障害される病気です。視神経が障害されると、見える範囲(視野)がだんだん狭くなり、ついには失明してしまうこともあります。
 俗に「あおそこひ」といわれています。視野が欠ける原因として、眼球内の圧力(眼圧)の上昇が考えられます。眼球内には通常、10〜21Hgの眼圧がかかっており、球形を維持しています。眼圧は「房水」の産生と排出によって一定に保たれています。房水とは、角膜と水晶体に栄養を供給する透明な液体のことで、毛様体で作られ、角膜と虹彩の間の「隅角」に流れていきます。さらに、フィルターの役目をする「線維柱帯」を通って「シュレム管」に送られて、眼の外に排出されます。
 しかし、この房水の産生と排出のバランスが崩れて眼圧が高くなると、視神経が集まる部分に圧力が加わり、視神経が障害されます。その結果、障害された視神経が担当する部分の視野が欠けます。緑内障は、眼圧が異常に高くなると起きると考えられてきましたが、最近は眼圧が正常でも緑内障になる人が増えています。

(種類)
(1) 原発性開放隅角緑内障
 隅角は開いていますが、線維柱帯が目詰まりしているため、房水が滞って眼圧が上がります。
 緑内障の多くを占め、視神経が慢性的に障害されます。
(2) 原発性閉塞隅角緑内障
 何らかの原因で、隅角がふさがるために房水の流れが滞り、急に眼圧が高くなります。急激に眼圧が上昇することもあります。
(3)正常眼圧緑内障
 眼圧が正常でも起きる緑内障です。日本人の緑内障でも最も多いです。視神経の抵抗力が弱いことが原因と考えられていますが、なぜ弱いのかは、はっきりわかっていません。
2 症状
 視野が欠けていきます。最初のうちはほとんど気付きません。気付いた時は、既に病気が進行していることが多いようです。一度、障害された視神経は元には戻りません。眼圧が急激に上昇するタイプのものでは、発作的に眼の痛みや、頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が表れます。
3 日常生活の留意点
 食事、仕事、運動や嗜好品などについて、特に厳しい制限はありません。しかし、長時間うつむいて仕事をしたり、過度に興奮したり、一度に大量の水分をとったり、タバコを大量に吸ったりすることは避けましょう。ストレスをためないよう気を付けましょう。
 市販のかぜ薬などで眼圧が上昇することもあるので、服用に注意しましょう。治療の基本は、眼圧が正常なタイプでも、薬物や手術で眼圧を下げて、視神経にかかる圧力を減らすことなので、専門医の検査を受け、緑内障の状態をよく把握してもらうことが大切です。また、治療によって眼圧が安定しても、生涯にわたって定期的な検査を受けることも必要です。
4 教育上の支援
 眼部の打撲だけでなく、全身的衝撃などのすべての外力に対して弱い立場にあることを徹底しておくことが大切です。長時間の前かがみのような姿勢は眼圧を高めるので、傾斜机や書見台などの活用で姿勢や学習時間に配慮する必要があります。
 他の眼疾患の特性が混在していることが多く、一人一人の見え方を把握した上での対応が大切です。
5 参考文献
(1)「あなたと緑内障」 ファルマシア・アップジョン株式会社
(2)「あなたにしのびよる緑内障」 ファルマシア・アップジョン株式会社
(3)「NHKきょうの健康 2002年6月号」 NHK放送出版協会

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