長高メソッド


(1)「長高メソッド」とは

 第1期SSHでは、主にSSHコース(学年あたり理数科40名、普通科40名)を中心に研究開発を行なってきました。
 第2期SSHでは、これを全校規模に発展させ、生徒全員が課題の発見や解決の過程を主体的に学ぶ「課題研究」に取組むことにしました。これを実現するためには、全ての教員が教科横断的にSSHの理念を理解し、共通の目標に向かって取組む必要があります。
 この目標を達成するために、本校が目指す教育モデル「長高メソッド」(長高とは長生高校の略称)を設定し、SSHを学校全体の教育活動として展開するための指針としました。
 さらに、「長高メソッド」の実践の場として、総合的な学習の時間の呼称をSS総学としました。


[長高メソッドの学力観]・・・創造力を培う3つの科学力
T 学習法の科学:礎となる知識と理解を得る力の育成
 「学問の目的とは何か」を考えるとともに、新しいアイディアを提案する市民にとって必要な教養を身につける。
U 市民性実践の科学:他と協力し目的を達成する力と科学的な倫理観の育成
 グループでの合意の形成や役割を分担するための円滑なコミュニケーション能力を高めることで生産的な活動を行う能力を育成する。
V 研究法の科学:課題を発見し探究する力の育成
 課題発見・解決型の探究活動を導入する。分野別のゼミ形式で進行し、全員が課題研究に取り組み、探究の進め方、報告書のまとめ方、発表の方法等を身に付ける。

「長高メソッド」の教育的手法
@ メタ認知的学力の導入。自己制御の可能な自律的学力を定着させる。
A アクティブラーニング導入による学習の深化。情報伝達・記憶再生型の学習から自発的な課題発見・解決型学習への転換を図る。
B 学際的な課題を扱う(トランス・サイエンス的アプローチ)


(2)「長高メソッド」の経過
平成26年度(第1期SSH最終年度)・・・・第2期SSHを目指した基礎研究
若手教員10名程度からなる、長高メソッド研究会(自主的な校内研究組織)を立ち上げました。
研究会の目標は「総合的な学習の時間で用いる長高メソッドのテキストをつくる」としました。
「長高メソッド」テキスト(A4版 102ページ)が完成しました。

平成27年度(経過措置1年目)・・・・「長高メソッド」の試行とフィードバック
総合的な学習の時間の呼称を「SS総学」とし、「長高メソッド」の先行実施を試みました。担任の先生方から問題点をフィードバックしてもらい、テキストの改善や年間計画の作成に生かしました。

平成28年度、29年度(第2期SSH1年目・2年目)・・・実践による人材育成
 平成28年度・・・普通科1年生7クラス、生徒281名、教員24名が13講座のゼミに関わり、147件の課題研究が行なわれました。
 平成29年度・・・普通科1年生7クラス、生徒280名、教員28名が13講座のゼミに関わり、185件の課題研究が行なわれました。
いずれも生徒全員が報告書(論文)を作成するとともに、ポスター発表を行い、互いの成果を共有しました。

SS総学課題研究テーマ(抜粋、平成29年度のもの)









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