今日は一日遠足の日でした。午前中は観光牧場でショーを見物,午後はおみやげや日本の食材の買い出しです。サイクロン(日本で言う台風)が東方海上を移動しているせいか,強い雨が降ったりやんだりのあいにくの天気でしたが,晴れると太陽がとてもまぶしかったです。
観光牧場に行く前に,近隣の高級リゾート Sanctuary Cove を見に行きました。ボート係留場つきの家が3億円ぐらいで売りに出ていました。モーターボートを売る店もありました。
そして,観光牧場 Paradise Country に行きました(すごいネーミングですよね…)。まずは一通り動物を見たあと,様々なショーを見物しました。
最初のショーは「ビリーティー」 billy tea です。billy とは缶の呼び名で,それに水を入れたき火にくべます。沸騰したところでお茶の葉を入れますが,そのままでは茶葉は沈まないので,缶の取っ手を持って何回か上下に振り回します。ガイドが実演したあと,観客のなかから二人選んで体験してもらうのですが,なんと両方とも本校生徒が指名され,二人とも笑顔を見せ英語でガイドと話しながら楽しそうに実演していました。
馬のショーを見物したあと,ムチ鳴らしのコーナーに行きました。かつてオーストラリアの牧場では長いムチを使って大きな音を出し動物を追ったのですが,観光牧場ではそれを使ってショーを行っています。ここでは,観客のなかから1人指名して,木の枝葉を口にくわえさせそのムチを使って二つに切断する,ということをやります。しかし,ムチを振り下ろすわけですから,ウィリアム=テルのりんごのように,一つ間違って体に当たれば大ケガをするかもしれません。
なんとまた,本校生徒が指名されました。すでに何度もショーのなかでムチの大きな音を聞いているので,生徒はおののき叫んでいます。目隠しをされました。何も見えません。そして,ムチが振り下ろされました。なんと!木の枝葉はまっぷたつに切れ,生徒は無事でした。ムチは生徒に当たらず,ケガもなく無事でした。
……ご存じの方もいると思いますが,上記のショーには仕掛けがあります(引率教員もかつて同じような観光牧場で似たような体験をしたことがあります。筆者も,目隠しをして立っていたときは,本当にムチが当たるんじゃないかとドキドキしていました)。その仕掛けがどんなものかは……,ここでは書かないでおきましょう。
そして,締めくくりは羊の毛刈りです。本校生徒からすでに3人もショーの実演者が出ているので生徒は皆乗り気で,ショーに参加したくてウズウズしています。他にもお客さんは大勢いて,その多くが日本人でみなさん何かとモジモジしているのですが,本校生徒たちはオーストラリア人のように積極的になって楽しんでいます。
羊の毛刈りは電動バリカンを使うのですが,ガイドと一緒にバリカンを動かします。念願かなって,本校生徒も体験できました。最後はなんと,刈り取った毛をかぶせられて,記念撮影です。
このあと,ゴールドコースト中心部のサーファーズパラダイス Surfer's Paradise に移動して,日本食づくりに必要な食品類の買い出しやおみやげの買い物をしました。
引率教員が本日強く感じたのは,参加者たちの成長ぶりです。最初この研修に参加したての頃は,生徒たちの多くは,今日観光牧場で一緒になった日本人観光客の方たちの多くと同じでした。つい周りの目が気になって,たとえ必要なときでも積極的に前向きに行動できずにいました。
でも今,この生徒たちは違います。多くは生まれて初めて長期間親元を離れ,英語だけでホストファミリーと過ごし,常に自分で考え行動しなければなりませんでした。心細いときも英語が通じなくて途方に暮れたときもあったでしょう。でもここでの生活に慣れるにつれ,まるでホストファミリーに背中を押されるように,積極的になってきました。今は,たとえ思うように通じなくても,めげずに積極的に英語で話そうとします。自分がなすべきことをするときに,ためらいはありません。自分が楽しむべき時に,大いに楽しんでいます。
そして,その成長ぶりを見て,今年も実施できて良かったと,引率者は感慨にふけっています。
(サーファーズパラダイスの海岸入り口にて)