創立記念日に当たって
   校 長 齊藤 孝
    創立:昭和59年10月11日、県議会において設置条例が可決され設立認可
 4月10日(土)は、本校の創立記念日です、本年は土曜日になっています。今から26年前すなわち、昭和60年4月10日市川市文化会館において、開校式並びに第1回入学式が行われ市川西高校は出発しました。以来、職員、生徒、保護者、地域社会が一体となり新生の学校づくりに励み、清新溌刺な校風を育みながら発展してきました。
 平成23年度に市川北高校との統合が予定されたいる今、過去の歴史に学びこれからの新しい学校づくりに生かすことが重要であります。創設期からの主な沿革を知る中で歴史と伝統を皆さんとともに育みたいと考えます。
 まず校訓の「誠実・忍耐・努力」は、生徒の皆さんが、日々誠実に努力するとともに、研鑽精進していく目標であり、次のような意味が込められていました。
「誠実」は、豊かな知性と教養を備え、真理と平和を愛し、誠実に生き抜くことを目指すこと。 (知)
「忍耐」は、社会における自己の使命を自覚し、その形成者として必要な資質を養うために自らを律し
  耐え得る人間を目指すこと。                             (徳)
「努力」は、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ち、努力し続け心身ともに健康な人間を目指すこと
                                           (体)
 以上から、「知・徳・体」の調和のとれた人間形成が教育方針でありました。
 校章は、学校が立地する場所が、萬葉の時代に「真間の入り江」と呼ばれ遠浅で、入り江の砂州に「黒松」が続いていたことに由来しています。黒松は、市川市の「市の木」でもあり、郷土を愛することであり、針葉樹としてその姿が鑑賞に堪え品性が高いこと。また「地域に根ざす学校」であり、「地域住民に親しまれる学校」の意味が込められています。また、3本の黒松は、「知」「徳」「体」の調和のとれた人間形成を目指すことを表しています。

 校歌は、市川にゆかりのお二人の先生により創られ、これらの三つの問いは、作詞者の個人の問いでなく、誰に対してもどこからともなくやってくる問いで、それを校歌の中に歌い込み、在学中ばかりでなく、卒業後も口ずさんでほしいとの願いの込められているものです。
「空はなんのために青いのか」「虹はなんのために咲き出るのか」「人はなんのために生きるのか」を始め「遠い夢は必ず花を開く」などの歌詞は若者の心に響く雄大さを持っています。中庭の宇宙(そら)のモニュメントは、平成元年度卒業記念品として製作され設置されました。

 開校間もない頃、川の水位がたびたび上がり冠水するなどの悪条件を乗り越え、創立以来26年、各部活動の発展を図る中で全国大会や関東大会に出場するなどの成果も挙げるとともに、この間の卒業生は六千八百余名に及び、市川市はもちろんこと、各方面に優れた人材を輩出しております。

 また、本年の創立記念日は西高校として最後の記念日となります。平成23年度から北高校と統合し、(仮称)「千葉県立市川昴(すばる)高等学校」として、新たな教育理念のもとに出発することになります。両校の良き歴史と伝統が融合し、地域とともに発展するととも、次代に相応しい校風を創造する気概が必要であります。両校の先輩達が培ってきた校風を発展させ、高校生として更なる誇りを持って学習に部活動に活躍してほしいと思います。
 創立記念日を前にして、生命(いのち)を常に大切にしてきた西高という素晴らしい学校に育ててくれた地域・保護者・諸先輩方に改めて感謝を表すると共に、自分なりの価値観・審美眼を養い、職員・生徒心を一つにして、高校生活の充実に努め、学校の一層の発展を目指して努力しようではありませんか、皆さんの自覚とがんばりに期待します。 「夢・挑戦・感動」