白杖

 白杖は視覚に障害のある人が歩行するときに使う道具(補助具)の代表として、盲人用安全杖があります。一般的には「白杖」といいます。
 この白杖を巧みに操作することで、より安全に歩けるようになります。なお、白杖の使用については、道路交通法に定められています。ここでは、白杖についての基本的なことを説明します。

1 白杖の意義(機能)
 白杖の意義には次の3つがあります。
 1)安全の確保
   白杖を身体の前方で使うことにより、障害物や段差などの存在を知ることができため、身体を保護することができる。
 2)役に立つ情報の入手
   白杖は危険を知らせてくれる一方、歩行にとって役に立つ情報も知らせてくれる。たとえば、視覚障害者誘導用ブロック(以下、点字ブロック)、路面の変化など。
 3)視覚障害者としてのシンボル
   自動車の運転手、自転車、歩行者など周囲の人に視覚障害者であることを知らせることで、注意喚起をすることができる。

2 白杖の種類
 1)直杖(折りたためないもの)
   耐久性、情報の伝達性、重さ、バランスといった白杖に求められる条件をほぼ満たしており、単独歩行に最も適している。
 2)折りたたみ杖
   4段式、5段式、スライド式などがあり、携帯性で優れている。つなぎ目があるので耐久性、伝達性の面で単独歩行にはあまり適さない。
 両方の杖を所有し、必要に応じて使い分けるとよいです。

上段に直杖、下段に折り畳み杖を並べた写真

3 各部の名称と材質
 1)グリップ:握る部分。ゴム製のグリップが使用されています。
 2)シャフト:柄の部分。ここが白いので白杖といいます。グラスファイバーやアルミ合金などでできています。
 3)チップ:地面にふれる部分。石突ともいいます。硬化ナイロンでできていますが、摩耗が激しいので、減ってきたら交換しなければなりません。なお、いろいろな形状のものが開発されています。

白杖のチップを4つ並べた写真

4 白杖の入手(給付)
  白杖は、義眼、眼鏡、点字器とともに視覚障害の補装具として位置づけられていますので、各市町村の福祉事務所や福祉課に申請します。費用は、所得税の課税状況に応じて、一部又は全額の負担となります。なお、点字図書館などでも販売されており、だいたい4,000円〜6,000円で購入することができます。

5 白杖の長さ
  一般的には、気をつけの姿勢でおなかのみぞおちから5〜10センチ程度、または身長から40〜45センチを引いた程度の長さが適当ですが、体格、歩く速さ、歩幅によっても多少変化します。

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