本校の総合学習の取り組み

千葉高ノーベル賞

 千葉高ノーベル賞とは,総合学習の時間に,生徒ひとりひとりが自分なりにテーマを見つけ,1年生から約2年間をかけて個別に調査・研究をしまとめたものの中から,最も優れた作品に与えられる賞です。
 平成15年度よりスタートした総合学習ですが,平成17年9月6日に初めての発表会が,4つの分野(人文科学・社会科学・自然科学・芸術)に分かれて行われました。
 翌年から毎年,同じ時期(9月最初の総合の時間)に発表会が行われています。
 4分野で発表された作品の中から分野ごとに,最も優れた作品が選ばれ,全校生徒が集まる中で表彰式がおこなわます。
作品(浴衣)の展示
作品(浴衣)の展示
発表の様子
発表の様子
千葉高ノーベル賞表彰式
千葉高ノーベル賞表彰式

『千葉高校ノーベル賞論叢』の発刊について

 3年間の研究成果は,毎年『千葉高校ノーベル賞論叢』という冊子にまとめられ,研究してきた3年生にはもちろんですが,全校生徒に配られています。
 以下は,平成29年度の冊子の巻頭言から抜粋したものです。

平成30年度千葉高ノーベル賞論叢に寄せて     校長 佐藤 宰

 本庶 佑 京都大特別教授がノーベル医学生理学賞を受賞しました。免疫抑制分子であるPD−1分子を固定し、世界で初めてがん治療の応用に成功した功績が認められました。これは大変すばらしいことであり、うれしく思います。これ以上に私が感動したのは、本庶先生が、ノーベル賞の賞金やがん治療薬「オプジーボ」の販売により得られたロイヤリティ(権利使用料)を基に、京都大に若手研究者を支援する基金を設立するというものでした。日本においては、成果を短期間で実用化に結び付けにくい基礎研究への研究費が少なく、特に若い研究者が好奇心や自由な発想に基づいて取り組む研究への理解や援助が少ないと言われています。基金の設立は、本庶先生のこれまでの地道な研究生活からの提案であり、本当に素晴らしいと思いました。
 先日、山際壽一 京都大総長とお話をする機会がありました。その際山際総長も若手研究者の基礎研究の大切さと研究費等の援助の必要性を訴えておられました。京都大では、学生や大学院生の誰もやったことのないユニークな挑戦を支援する目的で、「京大生チャレンジコンテスト」や「おもろチャレンジ」を企画しており、特に学部生に対し支援しているとのことでした。学部生が、どんどんチャレンジしてほしいとのこでしたが、私も同感いたしました。千葉高校では、自らの興味に基づいた研究テーマのもと、調査研究をし、まとめ、そして発表する取組を行っています。この取組は、前述した大学等での取組を先取りしたものとも言えます。高校時代に、このような取組を経験し、かつ、その過程で様々な知識を得ることは、研究に対する意識を高めるうえで大変有意義なことだと考えています。
 ここに平成30年度生の実践した研究がまとまりました。今年度の研究も、それぞれが創造性に富んでおり、内容も高いレベルのものです。皆さんが、将来、様々なことに取り組んだ時にも、堂々と対応できるものと思います。これらの経験が今後大いに役立つことは間違いの無いことでしょう。皆さんには、千葉高校で学んだことを卒業後も活かしてほしいと思います。

歴代ノミネート作品と千葉高ノーベル賞作品【

令和元年度最終ノミネート作品と千葉高ノーベル賞受賞作品

人文科学分野「芥川賞受賞作品と直木賞受賞作品の文体の違いについて」
「名探偵コナンについて考える―フィクション論の観点から―」
「セルフハンディキャッピングと自虐風自慢」
「ディズニープリンセス・レッスン―ストーリー展開の変遷とアメリカ女性の社会進出との関係―」
「楽器演奏から見る日本・西洋の『からくり人形』」
社会科学分野「川廻し」
「原爆投下の正当性について」
「住みやすい都市とは」
「近郊都市中心部の分立」
「たべものMOTTAINAI!〜食品ロスの影響と改善策」
「大人になれない私たち―法定年齢の改正から考える大人の素質とは―」
自然科学分野「空中を走ることのできる条件を探る」
「どら焼きに合う飲み物は何か」
「女性特有の症状・疾患について」
「携帯会社の通信戦略」
「きれいな声を身につける」
スポーツ・芸術分野「童謡『ふるさと』を主題にしたベートーヴェンの交響曲を作曲する」
「音楽と美術の関係性」
「Jリーグの応援の特異性―外国人選手のチャントを通して」
「鳥獣戯画をよむ―平安時代の動物観と擬人化―」

平成30年度最終ノミネート作品と千葉高ノーベル賞受賞作品

人文科学分野「銚子と極東新聞」
「コンピュータは人の心を解するか―自然言語処理の可能性―」
「人肉食という文化」
「生きる言葉―消えるもの,残るもの―」
「天皇の価値を測る」
「宗教哲学の視点による無信仰の考察」
社会科学分野「若者の政治参加と主権者教育」
「医療機関の利用についての空間分析―千葉県市川市を例にして―」
「路線バス,公共交通機関から見る内房の現状と将来の展望」
「千葉市における中心部の移動現象に関する研究」
「日本人にできる国際貢献」
「オリエンテーリングで富津市活性化」
自然科学分野「フィボナッチ数が生み出す美しい形」
「両利きになろう」
「理想の紙飛行機」
「死んだふり クマムシ 最強伝説」
スポーツ・芸術分野「知られざる人間の演奏の秘密」
「帰納法は歌う―分類学からアプローチするJ-pop作曲法―」
「音楽に国境はあるのか―音楽が社会にもたらす力―」

平成29年度最終ノミネート作品と千葉高ノーベル賞受賞作品

人文科学分野「関東地方の古墳から見る大和政権について」
「経済学で愛を解く」
「第二の故郷に迫る」
社会科学分野「JR急行を考える」
「京阪電気鉄道のダイヤを考える」
「真のゆるキャラとは何か」
自然科学分野「人工知能に関する研究と製作」
「バイオミメティックスと風力発電」
「土壌中の硝化作用にミミズが及ぼす影響について」
「最も怖いジェットコースターを造るためには」
スポーツ・芸術分野「藝術の定義への試み―音楽を中心に―」
「ヨーヨー・マはなぜ優れたチェリストなのか。」
「ブラームス 生涯と作品」

平成28年度最終ノミネート作品と千葉高ノーベル賞受賞作品

人文科学分野「あなたの知らない姫路城」
「日本神話から探る日本人の思考と文化」
「信頼について考える」
社会科学分野「足尾銅山の発展とその影響」
「日本国債返還計画」
「見つめる・見つける学校づくり」
自然科学分野「竜巻の仕組みとその被害の検証について」
「低カリウム 水耕栽培と食事」
スポーツ・芸術分野「ユダヤ人画家への問い-芸術はナショナリズムを超えるのか」
「発展途上国からパラリンピックメダリストを輩出する方法」

平成27年度最終ノミネート作品と千葉高ノーベル賞受賞作品

人文科学分野「音楽と心の関係」
「食育-共感性の獲得と近代の超克-」
「秘匿と開示 -叙述トリックの文学的構造-」
「千葉高校構成員の『千葉高』をめぐる認識に対する諸考察」
「明智光秀という男」
社会科学分野「振り込め詐欺をなくすためには」
「平和と戦争-非対称性を架橋する身体性-」
「英語教育 初等での導入に対する提言」
「地図から読み解く太平洋戦争」
自然科学分野「RSA暗号の仕組み・安全性・限界について」
「静止摩擦係数を変化させる要因とそれに対する考察」
スポーツ・芸術分野「ハイドンの四重奏曲の研究」
「Giselle 第二幕-初演時の文献による考察-」
「行進曲『軍艦』はなぜ耳に残るのか?」
「時代背景から見るヨーロッパ絵画の目」
「日本の『文字』文化」

平成26年度最終ノミネート作品と千葉高ノーベル賞受賞作品

人文科学分野「航空機と操縦士から見る戦争」
「古典文学における自然現象」
「屋号の歴史と地域社会の変遷」
「ボランティア活動を通して高校生ができることを考える」
「プーさんとダッフィー -競争と共存のかたち-」
社会科学分野「ヒートアイランド現象からみた千葉市の都市計画の課題」
「高校生でもアフィリエイトで稼ぐことは可能なのか」
「成田闘争 -時代の狭間で揺れた農民達-」
「産婦人科医療崩壊 -崩壊を防ぐ7つの提言-」
「消費者にうける商品広告」
自然科学分野「紫外線の特徴に基づく効果的な対策」
「VOCALOIDはどこまで人間の歌声に近づけるか?」
「燃料電池における触媒」
スポーツ・芸術分野「マーラーの死生観 -大地の歌と交響曲第9番における『死』と『永遠なるもの』-」
「ショパン『ピアノソナタ第3番第1楽章』その構成と演奏方法について」
「住みやすい家とは」

平成25年度最終ノミネート作品と千葉高ノーベル賞受賞作品

人文科学分野「友達」
「コミュニケーション能力を向上させるには・・・?」
「カフカ『訴訟』をめぐる考察」
社会科学分野「軍医療面から見た旧日本軍の衰退」
「監視システムの効果と課題」
「エネルギー(発電)」
自然科学分野「検非違使忠明」
「ペットボトルロケットの研究」
「Nscripterによる文章表現とプログラミング」
「ストレスによるアサリの貝殻の模様変化の探究」
スポーツ・芸術分野「ベートーヴェンのピアノ・ソナタ『悲愴』の独創性に対する彼の心理の分析」
「日本民謡」
「お絵かき上達法」

平成24年度最終ノミネート作品と千葉高ノーベル賞受賞作品

人文科学分野「自分(心・自我)とは何か?」
「幼児の知能発達について」
「老人ホームでのボランティア」
「ソシュール言語学と構造主義」
社会科学分野「『天国』と『地獄』に見るキリスト教の強さ」
「小江戸について」
「千葉県内における鉄道運賃が高額な路線と地域の関係性」
「邪馬台国はどこにあったか」
自然科学分野「展開図から折り紙を見る」
「テンセグリティ」
「風洞実験に基づいた飛行機の開発」
スポーツ・芸術分野「絶対音感について」
「効率のよい泳ぎ方について」
「速さへの挑戦」

平成23年度最終ノミネート作品と千葉高ノーベル賞受賞作品

人文科学分野「ボランティア」
「古代ギリシアのポリス論」
「古典文学に見る日本の野鳥」
「漢方」
社会科学分野「中国の民族問題」
「スウェーデンの福祉から,日本の社会保障を考える」
「千葉市の戦跡について-陸軍歩兵学校の石碑をめぐって-」
「通学電車で座るには-H.V.理論から見る効率的かつスマートな座り方-」
自然科学分野「宇宙の誕生」
「C言語によるシューティング・ゲームプログラミング」
「身近な数学」
スポーツ・芸術分野「民族音楽」
「水泳の高速化」
「ハロウィン-ローリー・ストロードの青春-」

平成22年度最終ノミネート作品と千葉高ノーベル賞受賞作品

人文科学分野「欧州・中国・日本の『シンデレラ』」
「『源氏物語』における愛のかたち -『宇治十帖』をめぐって」
「音楽が拓く”グローバリズム”の可能性-フジ子・へミングに導かれて-」
「選択肢の心理学」
社会科学分野「スウェーデンと日本の財政と福祉」
「総合学習の意義とは」
「『女人禁制』について」
「少年法厳罰化の考察」
自然科学分野「クモの力をヒトの力に」
「錯視から見た書の成立」
「天体の位置計算」
「弾幕という表現方法」
スポーツ・芸術分野「ロボットアニメにおける”萌え”と搭乗型ロボットの変遷」
「モーツァルト効果」
「ブラームス『交響曲第一番ハ短調』における序奏部の効果とそれに関連する考察」
「大相撲の仕組みと人気低迷・諸問題から考える未来」

平成21年度最終ノミネート作品と千葉高ノーベル賞受賞作品

人文科学分野「ヒーロー化による惰性的な生からの脱却を考える」
「平安時代の貴族女性の生活について」<結婚編>
「実に不可思議なる漢字」
「故郷」
社会科学分野「何故江戸幕府は滅亡したのか」
「夢と睡眠」
「姫路城とそれに関係する人物について」
「名字の地域性と地名との関係」
自然科学分野「セイヨウタンポポとカントウタンポポ」
「脳とひらめき」
「系外惑星探査」
「黄金比」
芸術分野「調性崩壊からの現代音楽への流れ」
「一枚の絵,アクアリウム」
「腹話術の歴史と技術」

平成20年度最終ノミネート作品と千葉高ノーベル賞受賞作品

人文科学分野「生活の中に手話を -優しいこころを育てよう-」
「歴史と私達とのつながり -太田實中将を通して-」
社会科学分野「見たい夢を見るための研究」
「使いやすいキッチンについて」
「裁判員制度 -陪審・参審と違う日本の司法参加制-」
「迫害と殺戮のユダヤ人」
自然科学分野「ウェーブマシンとの闘い」
「クオリアと意識について」
「プロジェクト コケ X」
「多重振り子の解析」
芸術分野「ポロネーズ第5番(ショパン作曲)演奏」
「フィガロの結婚『恋とはどんなものかしら』独唱」

平成19年度最終ノミネート作品と千葉高ノーベル賞受賞作品

人文科学分野「空の境界」…作品分析から自己と世界について考察
「宇宙の「外側」なるものについて考察する」
「差異から考える」…精神の世界,主観の世界の中にあらわれる差異」
「いじめをなくすために今,私達が出来ること」
社会科学分野「男らしさ・女らしさとその環境要因」
「死海文書について」…キリスト教と聖書とのつながり
「日本が戦争を始めた理由」
「関ヶ原-東の共通点,西の共通点」
自然科学分野「メキシコサラマンダーの生活における諸文献との差異」
「地球温暖化について」
「ロボットとヒトにおける運動能力の長所と短所」
「三峡ダムにおける問題点」
「航空機について」
芸術分野最終ノミネート作品なし

平成18年度最終ノミネート作品と千葉高ノーベル賞受賞作品

人文科学分野「昭和史再考」…東条英機を例として
「漫画の神様…手塚治虫の言葉」
「自然・宗教と人間の関係」
社会科学分野「現代社会と日本文化から考える児童虐待」
「千葉県の県民性・地域性について」
「パレスチナ問題」
自然科学分野「カエデの果実の形態に関する研究」
「勝浦の海洋生物について」
「メダカにおけるBPAの影響」
「常微分方程式とその物理的応用」
芸術分野「イタリア歌曲の独唱(一人語り)」
「お菓子作りの調理理論」
「バッハの音楽」