学科の概要
生産技術科
一 設置の背景
近年、産業構造や就業構造の変化が著しい中、食糧自給や、農業の持つ景観的・環境保全的機能としての農林業の重要性と、余暇の増大に伴う生活の質的豊かさを追求する中での農山村の持つ魅力を再認識し始めてきた。これらの情勢をふまえたとき、国際的な自由貿易杜会の中で、国民の二ーズを的確に把握し、主体的に農業に携わる人材の育成が急務の課題となった。
しかし、本校に入学してくる生徒の実態は、年々多様化してきている。自営者養成学科である農業科、園芸科においても非農家出身徒の割合は増加の一途をたどっている。卒業後の進路も多岐にわたり、農業自営者養成という既設学科の目標との格差が大きくなった。
こうした状況下にあって、本校に対する地域の要望も大きく変わりつつあり、生徒個々の実態や興味・関心、及び時代の進展に対応した教育を展開するため、学科を改編し、教育内容の改善を図った。
二 教育目標
農業の持つ公溢的機能を理解し、環境に配慮した近未来的農業の発展と、地域環境の保全及び創造に寄与する人材を育てる。
◎ 生物生産コース
農業の持つ公益的機能を理解し、環境に配慮した近未来的農業の発展に寄与する人材を育てる。
◎ 環境学科コース
農業の持つ公益的機能を理解し、地球的視野からの地域環境の保全と創造に寄与する人材を育てる。
三 教育内容の特色
@科目「産業社会と人間」を一年次必履修とし、職業選択に必要な能力と態度を育てる。
A科目「生物環境」を必履修とし、農業の持つ環境保全的機能、地球問題等を総合的に理解し、良い生活環境を創造できる態度を育成する。
B科目「課題研究」を進路指導充実をねらいとし、資格取得、進学、公務員志望等に対応できる講座を設置し、選択できる。
C主たる専門科目として、生物生産コースは「草花」、「野菜」、「果樹」、「畜産」、環境科学コースは「環境デザイン」、「園芸デザイン」、「造園緑化材料」とし、白己の興味・関心、進路等に即して選択できる。
D二年次より、普・職選択科目を設置し、多様な進路に対応できる。
四 主な新施設・設備の慨要
生物工学棟
三階園芸デザイン室(ドライフラワー乾燥機、フラワーコールキーパー、フラワーコールストッカー、応接セット、作業台、液晶ビデオ映写機、装飾教材用造花等)
四階環境デザイン室一CAD関連ソフトウエアー一式、製図機械一式、トレース台、製図机、パーソナルコンピュータ、プリンタ、プロッタ、図面収納箱、複写機等)
野菜環境制御温室(中正農場・葉菜類水耕栽培温室)
農業経済科
一 設置の背景
昭和五六年一月に文部省が理科教育及び産業教育審議会に対して、「高等学校における今後の職業教育の在り方」について諮問し、昭和六〇年二月、同審議会より答申がなされた。この答申の中で、「高等学校教育の著しい普及に伴う生徒の能力・適性等の多様な実態や、エレクトロニクス技術、サービス経済化の進展等による我が国の産業構造・就業構造の変化などに応じて、改善充実を図るべき一新たな課題も生じてきている」と指摘している。
また昭和六二年八月、千葉県産業教育審議会の「本県高等学校における職業教育の在り方について」でも「サービス経済化進展に対応し、農業高校における流通経済及び農業経営に関する教育の推進を図るため、新たに『農業経済科』を設置する必要がある」とされている。
これらの答申等をふまえ、本校の実態や地域の状況を考慮して慎重に検討した結果、農業経済科の新設が適当であると判断された。当初、平成二年度に限って生活科の中に農業経済コースを設置、平成三年四月に本県で二校目の農業経済科がスタートした。
二 教育目標
農業経営及び流通経済に関する知識・技術を習得させ、これらの業務に従事する技術者としての必要な能力と態度を育てる。
三 教育内容の特色
@農業を基盤とした経済・流通を中心に国民経済を学習し、専門的知識を身につけることができる。
A情報処理の学習により、より効果的な情報処理技術を見につけ、情報化社会での活躍の基盤を身につけられる。
B生産現場や流通現場を見学するとともに、総合実習や総合実践をとおして、個性にあった職業の選択が可能となる。
C簿記検定や日本語文書処理技能検定一ワープロ検定一、秘書技能検定、ペン字検定、情報処理検定等の各種職業資格取得が可能となり、卒業後の進路選択に有利となる。
四 主な新施設・設備の概要
農業経済棟
一階総合実践室(模擬商取引関連設備(テレビ、電話、タイムカード、コンピュータ、模擬貨幣等)
二階情報処理室(コンピュータ四五台)
生物工学科
一 設置の背景
科学技術の進展に伴う社会の変化はめざましいものがある。農業分野においても農業形態の多様化や産業技術の急速な進歩が見られる。農業教育においてもこれらの社会の変化・技術改革の進展に対応し、地域や生徒の要望に応えるためバイオテクノロジー等の新しい技術教育の充実を図ることが急務となった。地域農業においても、牛の受精卵移植技術、イチゴの茎頂培養によるウィルスフリー苗の活用、ランの無菌繁殖技術等、バイオテクノロジー技術を駆使した農家も増加しつつある。このような農家から、近年では苗生産の要望が本校に寄せられるようになった。さらにバイオテクノロジー関係の進学希望者、進学者も増加している。
このような時代の進展、地域の要望、生徒の実態に即し、魅力と特色のある農業教育の在り方について検討し、平成四年度より農業科の中に生物工学コースを設置。その後実績を重ね、平成九年度生物工学科としてスタートした。
二 教育目標
生物工学に関する知識・技術を習得させ、先端技術を駆使した生物生産技術者、関連産業技術者を養成する。
三 教育内容の特色
@植物分野・動物分野の二本柱とし、作物・家畜.実験動物のシステム化された環境制御、さらに植物一動物分野のより発展した高度のバイオテクノロジー、実験動物の生理・生態、取り扱い、飼育管理技術の学習を行う。
A実験動物に関する所定の学習内容を習得した生徒には、日本実験動物協会から在学中に「実験動物技術士二級」の受験資格が
与えられる。
B農業自営者及び農業関連産業、さらには実験動物を取り扱う企業、研究施設の従事者等の育成を目指して適切な進路指導を行う。
四 主な新施設・設備の概要
生物工学棟
一階実験動物実験室(生物顕微鏡、ラミナーフローラック、乾燥棚、純水製造装置、体重測定器等)
胚操作実験室(クリーンベンチ、プログラムフリーザー、オートクレーブ、CO2インキュベータ、倒立顕微鏡システム等)
飼育室(超音波手洗い装置、ジエットフォグ、感熱滅菌器、飼育棚、エアシャワー、パスボックス等)
二階生物工学実験室(インキュベーター、細胞融合装置、生物顕微鏡、実体顕微鏡、倒立顕微鏡、オートクレーブ、PHメータ等)
天秤室(電子天秤) 薬品室(薬品庫、冷凍冷蔵庫)
無菌操作室(クリーンベンチ、エアーシャワー、パスボツクス等)
培養室(培養棚、インキュベーター、回転培養器、振とう培養器等)
生物工学順化温室(中正農場ニフン類栽培温室)
生活科学科
一 設置の背景
従来の生活科の最大目標は農村主婦の養成である。しかし、農村社会は混住化が進み、人々の考え方も多様化している。そのためには、地域の農業と生活科の結びつきや、地域における職業生活など広い視点から見直しを図る必要がある。
本校においても、地域の都市化が進み、生徒の家庭状況も変化し、進路状況が多様化しつつある現状に対応するため、生活科を新学習指導要領の標準的学科である生活科学科に改める必要が出てきた。この目標は、「地域の農業、農産物の加工と流通及び家庭生活に関する知識と技術を習得させ、農業に関わる業務に従事する者、及び農業を理解し合理的で健全な生活を営むものとして必要な能力と態度を育てる。」となっている。
平成三年四月より、新学習指導要領にそった教育課程を検討するため、校内に「教育課程委員会」を設置し、それぞれの学科の教育課程の編成に取り組むとともに、生活科の学科改編一新学習指導要領の標準的学科である生活科学科の設置)について検討を重ねた。その結果、平成四年三月、生活科を生活科学科に改編することを県教育委員会に要望することに決定した。そして平成七年度より生活科学科としてスタートすることとなった。
二 教育目標
地域の農業、情報処理並びに家庭生活に関する知識と技術を習得させ、人間性豊かな杜会人としての合理的、科学的な能力と態度を育てる。
三 教育内容の特色
@「被服」、「食物」、「保育」、「家庭看護・福祉」、「農業基礎」、「農業情報基礎」、「課題研究」等の専門科目を履修させる。
A一年次基礎教科・科目、二・三年次専門教科・科目を履修させ、加えて三年次に生徒の興味・関心・能力・適性、進路に適応した選択制を導入する。
B将来の進路選択や健全な家庭生活を築くために必要な資格取得教育を行う。
日本語文書処理技能検定(三級、二級)文部省認定硬筆書
写技能検定(三級)家庭看護法受講修了書和服の着付け華道
C地域との連携を密にし、奉仕的な活動や、勤労に関わる体験的な活動の機会を取り入れ、生涯にわたって心豊かで、健全な生活感を身につけさせる。
生活改善グループヘの参加町の産業祭や文化祭への参加看護婦、保母等の体験学習地域の農家との連携による農業体験、農家見学
四 主な新施設・設備の慨要
調理室改装、コンピュータミシン、車椅子、ベッド等
実験・実習指導の概要
生産技術科
一 はじめに
生産技術科は、産業構造・就業構造の変化、技術革新の進展、地域の二ーズに積極的に対応した新たな学科として平成九年度より三学級百二十名(男女共学)の募集を開始した。学科の目標は、「農業の持つ公益的機能を理解し、環境に配慮した近未来的農業の発展と、地域環境の保全及び創造に寄与する人材を育てる。」とした。
生産技術科の設置にあたっては、○時代の進展と地域の二ーズに対応した特色と魅力ある学科に改編する。
○農業に関するスペシャリストの育成を目指した専門学科としての改編を行なう。
○選択幅を拡大し、個に応じた指導を重視する。
○実験.実習など、体験的な学習を通し、課題解決能力の育成に重点を置く。
の四点を主眼とした。
二 生産技術科の特色
生産技術科では、「生物生産コース」と「環境科学コース」のニコースを設置し、二年次から白己の興味・関心・進路に対応して選択できるようにした。「生物生産コース」の目標は、「農業のもつ公益的機能を理解し、環境に配慮した近未来的農業の発展に寄与する人材を育成する」とした。「環境科学コース」の目標は、「農業のもつ公益的機能を理解し、地球的視野からの地域環境の保全と創造に寄与する人材を育成する。Lとした。
一年次の科目「産業社会と人間」を通して、産業社会における白己の生き方や在り方を認識させ、職業選択に必要な能力と態度を育てる。
課題研究Uの開設講座習内容
○進学進学.公務貝等を希望する生徒を対象に基礎学力の向上を目指す。
○ワープロ(財)全国商業高等学校協会の主催するワープロ実務検定三級の合格を目指す。
○危険物一財)消防試験センターの主催する丙種危険物取扱者の合格を目指す。
○秘書(財)実務技能検定協会の主催する文部省認定秘書検定三級の合格を目指す。
二年次から学習する科目「生物環境」では、農業のもつ環境保全的な機能、生物を取り巻く環境や地球的環境問題などを総合的に理解し、より良い生活環境を創造する能力と態度を育てます。
専門選択科目生物生産コースでは「野菜・果樹・野菜・畜産」、環境科学コースでは「造園緑化材料・園芸デザイン・環境デザイン」を二年次により学習し、各専門分野の基本的な知識と技術を身に付けます。
三 施設・設備
農業.園芸科由来の既存する施設設備に加え、学科改編にともない新たに建設された生物工学棟の三階に環境科学コースの園芸デザイン.環境デザインの各実習室が設置され、コンピュiタによるCADシステムや製図用机などが整備された。
中正農場においても、コンピュータ制御による最新式の環境制御水耕温室や個体管理のできる乳牛の自動給餌装置などが整備された。
四 学習内容
生産技術科の学習内容は「農業基礎」「産業杜会と人間」を基礎科目に、「生物環境」「専門選択」を基幹科目とし、「課題研究」「総
合実習」等実験・実習を中心に組み立てられている。その他、補完科目に「農業機械」「造園施工・管理」などが設置されている。
また、各専門選択科目一専攻一の学習目標と主な研究課題は次の通りである。
○野菜...野菜の栽培と経営に必要な知識と技術を習得する。
露地野菜
・環境保全農法に関する研究
.木酢液の有効利用に関する研究
温室野菜
.水耕栽培における葉莱類の周年栽培作型の確立と適品種に関する研究
.果莱類の栽培や生理生態に関する研究
○果樹...果樹の栽培と経営に必要な知識と技術を習得する。
.果実の着委定に関する研究
.果樹の栽培管理法に関する研究
.果実および聾定枝の効果的利用に関する研究
○草花...草花の栽培と経営に必要な知識と技術を習得する。
.シクラメン.プリムラ類の用土に関しての有効性の調査
.シクラメンの良品生産の研究果樹専攻実習風景
○酪農...乳牛の飼育と経営に必要な知識と技術を習得する。
.受精卵移植技術による牛群改良に関する研究
.乳牛共進会および牛群検定牛群審査への参加
.コーンサイレージの調整に関する研究
○造園緑化材料…緑化植物の育成方法と造園材料の特質を習得する。
○酪農...乳牛の飼育と経営に必要な知識と技術を習得する。
.受精卵移植技術による牛群改良に関する研究
.乳牛供進会および牛群検定牛群審査への参加
.コーンサイレージの調整に関すみ研究
○造園緑化材料…緑化植物の育成方法と造園材料の特質を習得する。
.地域の実態に即応した樹木の勢定と栽培技術の向上
.公害や悪環境に強い樹種に関する研究
.身近な材料を使った住宅庭園に関する研究
○園芸デザイン…草花とデザインについて学習し、豊かな生活づくりと創造する力を習得する。
.花壇の設計や製作と草花の栽培に関する研究
.フラワーアレンジメント・ドライフラワー・押し花等の製作.季節に応じた花装飾品の製作
○環境デザイン…快適な生活空間の計画と造成について習得する。
.住宅庭園、都市公園、街区公園の設計
・景観設計
.コンピュータを利用したキヤド設計園芸デザイン専攻実習風景
生物工学科
はじめに
生物工学科は平成四年度よりコース制となった、農業科生物工学コースをもとに、新たな学科として平成九年度改編設置された。一学級四十人(男女共学)募集である。学科の目標は「生物工学に関する知識.技術を習得させ、生物生産技術者・関連産業技術者として必要な能力と態度を育てる。Lとした。
二 生物工学科の特色
本校の生物工学科の特色は植物部門に加え動物部門に実験動物を取り入れたことである。
動物分野では実験動物や中小家畜の生理・生態、取扱い、飼育管理技術、実験補助技術等を学習し、資格「実験動物二級技術師」の資格取得を目指す。資格「実験動物二級技術師」は農水省指導による日本実験動物協会の資格であり、特定のカリキュラムを修了し、申請したものでなければ受験できない。本校は全国でも数少ない受験資格認定校であり、平成八年二月二十日に認定されている。
植物分野では、生物工学の手法を用いた育種及び種苗生産技術の知識・技術の習得。さらに作物の生育環境を人為的にコントロールするための環境制御技術や工業的な生産システムによる栽培技術を学習します。
また、多様な進路に対応するため普通科目と職業科目の選択や資
格取得.進学・公務員志望等に対応できる講座「課題研究」を設置している。
三 施設・設備
生物工学科設置に伴って施設・設備も充実された。食品工業棟と格技館の問に三階建ての生物工学棟が建設された。一階は動物分野の飼育室、実験動物実験室、胚操作実験室、実験準備室そして二階は植物分野の生物工学実験室、無菌操作室、培養室、天秤室、薬品室、生物工学実験準備室が整えられ、無菌化装置、空調設備等も充実され県下一の施設・設備となった。とりわけ動物部門は全国でも有数の施設設備を備えている。三階は同時に改編された生産技術科環境科学分野の園芸デザイン、環境デザイン各実習室が設置されている。実験棟以外に実験動物用焼却炉が設置され、実験に供された材料の廃棄について衛生的に、安全に処理できるように工夫されている。中正農場にも順化温室が新設されコンピュータ制御による温室が設置され、前室を備えた順化室、検定室がつくられた。
四 学習内容
生物工学科の学習内容は「農業基礎」「生物工学基礎」を基礎科目に「生物工学」「実験動物」「施設園芸」を基幹科目とし、「課題研究」「総合実習」等実験・実習を中心に組み立てられている。その他補完科目として「栽培環境」「農業情報処理」などが設置されている。
なお改編にともないその他の科目として「実験動物」が認められた。通知のあった目標、内容等は次のとおりである。
「実験動物」
一 目標
我国の実験動物物の現状を理解させ科学的かつ人道的な飼育に必要な知識と技術を習得させるとともに、農業に関する各分野で実験動物を実際に活用する能力と態度を育てる。
二 内容
(一)実験動物概論 (二)解剖と生理
(三)育種と繁殖 (四)栄養と飼料
(五)病気と衛生 (六)施設と環境および飼育管理
(七)マウス (八)ラット
(九)ハムスター (十)ウサギ
(十一)その他の動物
三 内容の取扱い
(一)この内容の指導に当っては、「生物工学基礎」、「畜産」、総合実習と関連付けて指導計画を作成すること。
(二)実験.実習を行うに当っては、施設・設備の安全管理に配慮し、学習環境を整えるとともに、事故防止の指導を徹底し、安全と衛生に十分留意すること。
また、各専攻分野の主な実験・実習内容は次のとおりである。
・実験動物専攻
実験動物一マウス、ラット、ハムスター等一の飼育管理技術および採血、解剖などの実験補助技術の習得
・中小動物専攻
中小家畜として、養豚をとりあげ、豚の効率的飼育管理および経営管理技術の習得。
・組織培養専攻
ラン類一ファレノプシス、パフィオベジラム等一を中心とした植物組織培養技術、イネのやく培養技術等の習得
・植物工場専攻
トマト、メロン、ミニトマト、チンゲンサイなどの施設野菜の効率的栽培技術の習得。およびロックウールを用いた養液栽培の試行。
さらに二年生対象に校外学習を実施している。これは生物工学に関連した試験研究機関、民間企業等を見学することにより生物工学に関する学習意欲を高め、杜会における意義を認識させ、進路に対する意識付けを考えている。
また、「産業先端技術の充実に関する事業」の指定校として平成十年度より3か年県農業試験場と連携し、二年生全員の試験場見学、組織培養専攻生(二年)生物工学研究産業先端技術の充実業室研修、同研究員による学校での特別講義等を実施している。
五 進路
一期生が今年度初めて卒業する。就職状況が全国的に非常に厳しい中、進学十八名一東京農業大学【2】、酪農学園大学【1】、城西国際大学【1】、九州保健福祉大学【1】、恵泉女子短大【1】、東京テクノカレッジ、東京動物、東京科学電子工業、日本工学院、ニホノートモービル、千葉県自動車産業、讃責東京理工、日本写真技術、日本スクールオブビジネス、明星情報ビジネス、御茶ノ水外語学院、長生技術他)就職九名(千葉中央郵便局、大阪富士重工他)が内定済みである。七名が専門学校、就職の結果待ちである。
食品工業科
一 実験指導の実際
実験に関わる科目は、農業基礎・食品化学・応用微生物・食品製造機器で構成されています。一年次には、農業基礎・食品化学・食品製造機器の三部門にわかれています。二・三年次は、食品化学・応用微生物.食品製造機器の三部門に分かれ実験を行っています。一部門約十五人で構成されているため、グループ毎の実験は極力避け、一人一人が職員の指導に従って、自力で実験を行なわせるようにしている。自力で実験を進めることによって、生徒自身で「今何を行い、次に何をしなければならないか。」を考えさせ、自ら適切な判断と行動力を養わせるように指導しています。
次に各科目の実験内容を示します。
(一) 農業基礎
農業基礎は、入学して間もない一年生の科目のため、食品に関する基礎的な成分・性質を、実験を通し簡単にわかりやすく、指導しています。また、実験だけではなく、身近な食品を自ら作ることで、本校での学習に興味・関心が湧いてくるように指導しています。
@牛乳についての実験
乳飲料の種類、牛乳の殺菌方法、牛乳の比重測定・脂肪分析を行っています。牛乳の比重測定では、市販の牛乳を牛乳比重計で測定し、規格に合っているかをみます。乳脂肪量の測定では、ゲルベル法を使い実際に測定し、パックに表示されている数字の意味を理解させています。
A小麦粉加工品についての実験
小麦粉の加工品は、いろいろなものがありますが、特に日本の伝統的な一うどん。を手作りさせています。小麦粉の特性や性質を理解せ、パンなどに応用する力を身にっけさせています。また、手作りのうどんを試食し、製造の喜びを体感させています。
B鶏卵についての実験
卵の比重測定・鮮度判定などを学ばせています。形の定まらない卵などの密度を求める方法として、アルキメデスの原理を紹介し、密度と比重の関係を実験を通じ理解させています。また、卵の比重は鮮度と密接な関係があることを、他の鮮度判定方法(卵黄係数)からも学びとらせています。さらに、卵黄を使いマヨネーズを自分で作ります。
(二) 応用微生物
応用微生物は、二・三年生で行っていますが、二年生では微生物の形や性質など、基礎的な実験を行っています。三年生では、基礎的な事柄と微生物を使った食品を分析し、製造することを行っています。
@空中落下菌及び土壌中菌の観察
微生物を観察するために必要な、培地の調整方法や器具の殺菌方法を、実際に行いながら、美背物実験に必要な基礎的操作を学ばせています。そして、空気中や土壌中に多く存在する微生物を培地に捕獲し、その特徴や数を調べています。
Aマイクロメーターの使い方とかびの顕微鏡観察まず、接眼マイクロメーターと対物マイクロメーターの説明を行い、プリントで計算方法を練習します。その後、五十倍二一百倍・五百倍の倍率で接眼マイクロメーターの一目盛りの大きさを求めます。黄麹かび・黒麹かび・くものすかび・青かびを各スライドガラスに取り、顕微鏡で観察しスケッチしながら、これらの胞子・子実体・菌糸の大きさを測定します。
B生菌数・総菌数の測定
パン用のドライイーストを液体培養し、これをトーマの血球計数器に一滴のせ、顕微鏡で観察し、四升中の菌数より培養液ユ中総菌数を求めます。また、この培養液を段階希釈したものを、平板培地にコンラージし、生えてきたコロニー数より、最初の培養液中の生薗数を求めます。
C大腸菌群の検査
食品検査の中の大腸菌群の検査の重要性を知らせ、その基本的な検出方法を学んでいます。特に、乳糖のガス発生テストとデオキシコレート平板混釈培養法について実験を行い、大腸菌群の簡便な検査方法として学習しています。
D最近の普通染色・グラム染色
小さな微生物の観察に必要な染色方法として、まず普通染色の観察を簡単な酵母で行います。その後、グラム陰性菌の大腸菌とグラム陽性菌のブドウ球菌を基に、納豆菌などの最近をグラム染色し、陰性か陽性かを調べ微生物の分類に役立てています。
E市販酸乳飲料の分析と製造
市販の酸乳飲料の乳酸旦里・糖量を実験で求めます。乳酸量は、中和滴定法により求め、糖量は屈折糖度計により求めます。また、事前に牛乳を乳酸菌発酵させヨーグルトにし、その乳酸量も中和滴定法により求めておきます。この両者の乳酸量の差をヨーグルトに添加し、さらに実験から求めた糖量と香料を添加します。市販の酸乳飲料と同様のものを作るようにしています。最後に、市販のものと製造したものを飲み比べ、甘己の実験結果を確かめ、三年問の学習成果の評価反省としています。
(三) 食品化学
食品化学の実験は一、二、三年生を通して行っています。座学としての食品化学は、二年、三年次で計六単位ありますが、基礎的実験指導を通して科目「食品化学」の理解を深めさせています。また、市販の食品や本校食品工業科で製造した食品の各種分析を行い、生徒に興味関心を持たせると同時に、安全で確実な実験操作と分析技術を習得させています。食品化学で行う主要な実験を紹介します。
@中和滴定
食品中の成分量や鮮度を調べるには、酸度を測定する方法が常用されます。従って、中和滴定は食品化学の実験では基本であり、生徒一人一人がその操作を完全に習得する必要があります。一年次から滴定の操作を繰り返し行っていますが、技術的なことだけでなく、規定度などの理論的な事柄についても指導しています。食酢や牛乳の酸度、市販の各種ジュースのクエン酸量などを測定しますが、三年次には標準液の力価(F)を求め、正確な食酢の酸度を測定させていますが、多くの生徒がほとんど誤差なく酸度を測定できるようになります。
A灰分の定量及びアルカリ・酸性食品
灰分は食品を完全燃焼させた残些として定義されていますが、極微量であっても体内で生理機能上重要であり栄養素としての無機質(灰分)について理解を深めるために灰分の定量を行っています。実験では時問的な関係から白米を用いていますが、1単位の測定が必要で生徒が各自で直示天秤秤を使いこなせよう指導しています。更に、灰分についてはその酸度を測定することによって、いわゆるアルカリ食品.酸性食品についての基礎的知識を学ばせています。
B炭水化物・タンパク質の検出及び定量
食品中の炭水化物とタンパク質の検出やその定量は、食品化学の実験では非常に重要で時間をかけて指導しています。炭水化物は各種糖類の中からフェーリング反応や銀鏡反応を使って還元糖を検出させています。鮮明な結果が出ますので生徒の反応も良好です。ビユレット反応やキサントプロテイン反応により脱脂粉乳や卵白中のタンパク質を検出させています。また、熱や酸などでタンパク質が変性する様子を生徒が体験することによって加工食品についての理解を深めさせています。定量実験の法は主にベルトラン法によって還元糖の定量を行っていますが、多くの生徒はほぼ正確な結果を出します。今後は粗タンパク質の定量をケルダール法により行っていきたいと考えています。
C植物中の色素の抽出・分離
色素についての学習は、実験を通して学ばせるのがベストと考えています。植物中の色素を有機溶媒で抽出し、ぺーパークロマトグラフに展開しますが、カロチン・キサントフィル・クルルフィル等が鮮明に展開します。また、市販のマジックや着色料などの色素も教材して利用し、生徒に興味を持たせるように努めています。
Dその他の実験
食品工業科で製造した味噌や市販の味噌・醤油・ソース等の塩分をモール法によって定量しています。最近減塩食品が出回っていますが、実際どの程度減塩されているのか、生徒に分析させています。また、分光光度計を使って水分中のリンや鉄分など測定も行っています。今後は、富栄養化の原因になる硝酸態窒素や他の有害物質の検査も行い水質調査を実施できるように考えています。
(四) 食品製造機器
食品製造機器は、二・三年生で行っています。食品を加工するのに必要な機器の構成素材の特徴、ボイラーの基礎となる熱と水の状態変化に関する事柄及び、食品加工の際発生する廃棄物の処理について学びます。
また、簡単な修理に必要となる電気回路をはじめ、基本的な測定技術、コンピューター制御の基礎についても学びます。
@ノギス・マイクロメーターの測定
基本的な測定器具であるノギス・マイクロメーターによる精密測定を行います。日常的に用いている筆記具の芯の直径や白分の頭髪の太さをはじめ、円筒形の物体の直径や内径などを精密測定することにより、機器を形作るための精度について考えます。
A水に伝わる熱の割合
食品を加工する際に、水蒸気の熱を利用することが多いです。水蒸気を発生させるために、水を加熱しますが、水温の上昇に用いられる熱エネルギー効率は一〇〇%ではありません。どれくらいの効率で水を加熱しているかを調べます。
B各種金属の比熱測定
食品加工に用いられる機器や容器には、数種類の金属が用いられています。食品の加熱加工を考えるとき、熱効率を無視できません。
各種金属の比熱を測定し、なぜその金属が用いられているのかを考えます。
C沈降速度の測定
館などを加工する工場では、小豆のくずなどが排水中に含まれています。実際の工場では沈殿池を作り排水を処理しています。沈殿池の大きさなどを決定するのに、排水中に含まれる物質温沈降速度を測定する必要があります。コーンスターチを水にとき沈降速度を測定します。その際凝集剤を用いて、沈降速度の変化を見ます。
D粉体の粒度分析曲線作成
製粉会杜では小麦粉などの穀物を粉にしています。粉の粒径が整っていなければ、製品として成り立ちません。
ここでは、土壌のサンプルを、ロータップシェーカーに目開きの異なるふるいを重ねてふるいわけ、その重量を測定することで粒度分布を求めます。実際の工場では、異なった粒度の原料を一定の粒径の製品に仕上ることの難しさ、大切さを学びます。
E電気回路
回路試験機を用いて、電気回路についての基礎知識を学びます。電気抵抗・仕事量・交流と直流の違いを学びます。
F土壌のPH・EC測定
本校では、無農薬で茶を栽培し、茶葉を加工して煎茶を作っています。良い煎茶を作るには、良い茶葉が必要です。良い茶葉を作るためには、土作りが大切であることを、この測定緒果から学びます。
G検量線プログラム
ばね秤に負荷を加えていき、その伸びを測定します。そのデータから、ばねの伸び方とおもりの関係を導き出します。
Hコンピュータを利用してのデータ処理
文化祭などで集めた無農薬煎茶に関する様々なデータをコンピュータに入力し処理をします。その結果をグラフ化するなどしてアンケートのデータを解析します。
二 実習指導の実際
四月長柄町の竹山に、筍掘りに行き、新鮮なうちに、湯煮、整形、水さらしをして次の日に缶に詰める。特に新入生にとっては、はじめての経験で戸惑う生徒も出るが、自然と触れ合うことにより精気を取
り戻す。続いて、成東町のイチゴ農家にイチゴの摘み取りに行き、ヘ
タ取りを経て、水洗、加糖、ボイルする。ボイルされたイチゴは、一
度冷凍室に保存する。
五月一年間、肥培管理した茶の刈り取りと製造の時期である。特
に茶は、その良否がその年の天候に左右されやすく、一番神経を使う時期でもある。また、本校での栽培から製品までの一貫したプラントをもつ唯一のものである。製造にあたっては、当番制を組み、生徒は製造ラインの一員として、学年に相応しい作業分担でそれをこなしている。なお、数年前より、試験的に茶園の一角を無農薬有機栽培区域に指定し、その成果を農業クラブ県大会に発表し好成績を修め、製品は十一月の宮谷祭にて販売、試飲コーナーをもうけて、消費者の二ーズを探っている。
六月五月に製造した煎茶をふるいにかけ、火入れ窒素封入して、缶や袋詰めにし、地域の人々、職貝、生徒に販売、品物が足らなくなるほどの盛況さである。製茶実習が終ると、予め加糖、ボイルしたイチゴを冷凍室から出しジャムづくりがはじまる。イチゴジヤムは、お茶とならんで、食工科の目玉商品の一つになっているが、生徒は自から収穫したイチゴがジャムになっていく過程をまのあたりにし、本物
の食品とは何かを感ずる時でもある。製造したジャムは、一旦、冷蔵庫に入れる。これは十一月の宮谷祭や、千葉県下の小中学校のバザーに販売されるためで、沢山の人々より高い評価を受けている。
このように、一学期においては、食品の原料となる生命体の取り扱いに注意を払い、飽食の時代に育った生徒たちに「食べ物」の大切さを反復して学習させている。
七〜八月夏休みもあり茶園の除草、施肥、勢枝等の実習で、白ら汗を流す。また、三年生は、進路指導の一環として、各種の食品会社に一週間の校外実習に出掛ける。生徒達は、この実習を通して、働くことは何かを身をもって体得することにより、白分の将来の進路を的確につかむようである。
九月パンやクッキー等の製菓・製パンを行い、一方では、二月に仕込んだ天然醸造のみそこしを行い「山農みそ」の名称でイチゴジャム同様、小.中学校のバザーの人気商品の一つになっている。また、九月下旬より十月上旬にかけては、正月料理の一つ、栗きんとんの栗の処理に追われる。一年生は、はじめて手にする包丁で中々思うように形が整わないが、反復しているうちに上手になり、三年生になる頃には、職人顔負けの上達した生徒も出てくるようになる。このことが生徒には「継続的精神集中」を養ういい機会になっているものと思われる。
十月引き続いて、製菓・製パンをやりながら、一方では、きんとんのころもの製造を並行して行う。これは、予め契約農家に栽培していただいた「金時いも」を湯煮、裏漉ししあんをつくり、砂糖、水飴を加える作業で、緑色のあんが黄色に変わっている過程は、作業をしている者でないと味わえない「楽しさ」でもある。このようにして製造した栗ところもは、十二月中旬まで冷凍しておき、正月製品として販売し好評を博している。
十一月宮谷祭の準備で一年間製造したビン。カン詰、茶の販売準備やローストチキンの鶏のと殺、中抜、漬け込み、各種パン類、クッキーの製造等、生徒は目まぐるしく変わっていく、製造項目をこなしていく。その中でも、特に人気の高いのがドーナツで、宮谷祭では長蛇の列が出来る程である。生徒たちが自分の製造した物に対して、一番「誇り」を感ずる時でもある。
十二月中正農場で飼育した豚を解体し、ロースハム、ラックスハム、プレスハム、ソーセージ、べーコン等の製造と併行して鶏のくん製であるスモiクチキンの製造も行う。特にハム類は「山農ハム」として、長時間桜のチツプでよくくん煙をきかし、長年多くの支持者を得ている。その他、農場で栽培された大根を実習棟の屋上につるし、干し大根とした後、たくあん漬とする。一方では、塩で下漬けして余分の水分を除去して本漬を行い、好評を博している。また、九月十月に製造した栗ところもを合わせ、栗きんとんとして容器に詰め製品として販売している。このように十二月は、沢山の実習が重なるので、二年生を当番実習として当てている。
一月二月年末に伊豆の宇佐美のミカン農家より運搬した原料ミカンを剥皮して、生徒が自ら大、中、小に粒を選別し缶詰をつくる。それと併行して、みその仕込みを行う。
まず、生物技術科の水田で収穫した米を使い、三日のサイクルで「こうじ」をつくり、出こうじの日に大豆を蒸煮し仕込んでゆく。本校での唯一の醸造食品である。この仕込みが、約三週間位かかり、二月下旬には終了する。
また、これと併行して、信州より運搬したリンゴの加工を行う。これは、一つはリンゴジャムをつくることと、一つにはアップルパイ用のプレザーブをつくることである。
三月五月の茶の収穫に向けて、茶園の除草、施肥、勢枝、それに収穫時期を早めるための覆いかけ(シェード)を行う。
このように、周年の実習の概要を述べていたが、原料の良さを生かしながら、工夫し、加工していくことの難しさを常に考え、生徒が胸を張って誇れる品物をつくることと、自からの「生きる道」を模索する中で将来の方向づけをしっかりと示唆することが実習の最大の目標ではないかと考える。
農業経済科
一 農業経済科の慨要
(一) 教育目標
「農業経営及び流通経済に関する知識・技術を習得させ、これらの業務に従事する技術者として必要な能力と態度を育てる」である。
これまで主に商業分野と考えられていた農業生産物や生産資材の流通.販売等に従事し、農業生産物や生産資材についての商品知識や農業経営・経済に精通した実践者を育成することを目標としている。従って本学科は農業分野と商業分野を併せ持った学科である。全国に約三十校設置されている農業経済科には二つの類型がある。一つは企業的な農業経営者の育成を主な目標にした類型、もう一つは、農業の流通部門に従事する者の育成を目標にした類型であり、本校の農業経済科は後者に主眼をおいている。
(二) 学科の特色
農業経済科の特色として次の四つをあげることができる。
○流通経済に関する教育
農業を基盤とした経済・流通を中心に国民経済を学習することにより経済人としての専門知識も身に付けることができる。
○情報処理教育
情報処理学習により、効率的な情報処理技術を身に付け、情報化社会といわれる現代で活躍できる基盤を身に付けることができる。
○生徒の適性に応じた進路選択生産現場や流通現場を見学するとともに、選択科目や総合実践を通じて、各白の個性にあった職業の選択が可能となる。
○職業資格の取得
簿記検定や日本語文書処理技能(ワープロ)検定、ビジネスコンピューティング検定、コンピュータ利用技術検定、秘書技能検定などの各種職業資格の取得が可能であり、卒業後の進路選択が有利になる。
(三) 教育課程
農業経済科の教育課程は次のような特徴をもっている。
○授業で学習した内容が直接資格取得に結びつくよう最大の配慮している。
(例)農業情報処理、課題研究・・日商ワープロ検定等農業会計、課題研究…日商簿記検定等
○進学希望者に必要な基礎科目一英語等)も重視している。
○商業科目を学ぶことにより、ビジネスの基礎が身に付く。
二 実験・実習指導の慨要
(一) 農業基礎
「農業基礎」は一年生の科目のため栽培に関する基礎的な知識・技術を実験・実習を通して簡単にわかりやすく指導している。また、実験・実習だけではなくデータを収集し、それをパソコンで集計するなど本校での学習に興味・関心を持てるように指導している。
また、農業クラブの意義・目的や農業検定読本を使用し、千葉県の農業についても基礎的な学習を指導している。
@栽培・収穫
年問を通して「スイートコーン」の栽培・調査を中心に実習しているが、一学期は施肥、耕起、整地、マルチング、種まきを行う。その後、除草、マルチ除去、追肥をし、学期末には収穫を行う。この問、生育調査として草たけ、葉数、気温・地温調査を毎日二人づつ担当者を決め行っている。
Aパソコンによる集計・グラフ作成
一学期に調査した草たけ、葉数、気温・地温のデータをもとに集計作業をする。作業はパソコンを活用し、一覧表やグラフの作成を行っている。なお、農業情報処理による表計算ソフトの本格的活用は二年次からなので、ここでは罫線、グラフの加工など基本的な処理をモニターを使用し時問を充分かけ指導している。
B考察
実験結果や調査・集計結果について資料や文献をもとに考察する。例として透明マルチを利用した区と黒マルチを使用した区の生育の比較、各区の地温の比較結果から判断できること、収穫日や収量の比較などがあげられる。
(二) 農業情報処理
情報化社会といわれる現代においては「情報」を上手に利用し判断し、行動することが望まれている。そのため、多くの「情報」を収集し効率よく処理し活用する技術や能力を養うことが必要である。
「農業情報処理」は一・二年生全員履修・三年生では選択・課題研究にて実習をしている。
@キーボード練習
入学後一学期末まで市販のタイプレッスンソフトを活用し、タイピング練習を行っている。また、自主制作のキーボiド隠しを使い、ディスプレイのみを見て入力する事を徹底している。全員がブラインドタッチができるようになる。
Aワープロ練習(日商ワープロ検定一
九月より本格的な入力練習を行う。十月に四級(通信文・速度文十分で二百八十字)、十二月に三級一通信文・速度文十分三百五十字)
を受験できるように指導している。通信文では、具体的に文書の記憶、保存、編集一挿入・複写・罫線など一、印刷がある。使用ソフトは=太郎mLである。なお、検定受験対策として補講を三ヶ月連続で行っている。
B表計算(日商ビジネスコンピュiティング検定一
二年次より「EXCEL」を使用し、表計算やグラフの作成、データベースについて学習・実習し、日商ビジネスコンピューティング検定を受験できるように指導している。主な内容としては、SUM・MAX・MIN・AVERAGE関数、各種グラフの作成、データの並べ替え・抽出などである。なお、検定受験対策として定期的に補講を行っている。
C表計算の上級指導および最新の情報機器活用
関数を活用し、条件の判定一IF関数一や順位付け(RANK関数)、表データの検索(VLOOKUP関数等一を行ったり、各種グラフを作成する全商コンピュータ利用技術検定上級、イントラネットを利用したEメールの送受信、デジタルカメラ技術を用いた画像処理、ホームページ作成を指導している。
(三) 農業経済
「農業経済」は一・二年次で全員履修・実習し、国民経済と農業、農家経済と生産、農産物や農業生産資材の流通、金融、企業の経営、農業政策などから構成される。この科目では、農業生産および流通の役割を国民経済全体の立場から理解し、農業に関わる流通活動や企業活動について、基礎的な知識と技術を習得できるよう指導している。
(四) 農業会計
「農業会計」は一・二年次で全貝履修・実習し、三年次では選択・課題研究にて実習をしている。
@日商簿記検定を中心とした実習
一年次では農家経済、簿記の基本及び資産・負債・資本・収益・費用、伝票を用いた記帳について学習する。二年次では前年に習得した記帳技術を生かし、合計・残高試算表や決算及び外部報告である財務諸表(貸借対照表・損益計算書)について記帳実習を行う。
また、十一月には簿記検定を受験するため、九月から定期的に補講を行い、記帳技術の向上に努めている。
A全商簿記検定一原価計算一を中心とした実習三年生の選択と課題研究にて履修・実習を行っている。主な内容としては、原価要素、個別原価計算、原価の予定配賦、総合原価計算、製造原価報告書、原価管理としての標準原価及び直接原価計算について記帳実習を行っている。また、一月に実施される検定の受験対策として十月より補講を行い、記帳技術のレベルアップを目指している。
(五) 食品流通
「食品流通」は二・三年次で全員履修・実習し、食料や食品をめぐる経済問題を広い立場から考え、食品の流通機構や主要食品の流通実態を把握し、さらに食品についての品質や規格、その保管や輸送について学習している。
(六) 商品
「商品」は三年次の普職選択にて履修・実習している。内容は消費者に関する諸問題として商品の安全性・表示・契約の問題について考えさせている。また、商品のライフサイクルや価格、流通のしくみ、生活関連商品として食生活や衣生活、住生活についても学習する。さらに、科学技術の進展と商品のかかわりや輸出入問題も学習する。
商品実験としてカップ麺の塩分測定や衣料品の生地の密度と糸の太さを行うこともある。
(七) 商業法規
「商業法規」は三年次の普職選択にて履修・実習している。内容は経済生活と法にはじまり、まず民法を中心とした法律的なものの考え方を習得できる。具体的には、権利・義務と財産権、契約の意思表示.売買契約.特殊売買(割賦・訪問・通信販売)、社会生活に関する法規として消費者保護(クーリングオフ)や販売方法の多様化(悪徳商法)について、また商法では経営活動に関する法規、手形・小切手法及び株式会杜の設立、その機関について学習する。以上のことを六法を紐解きながら行う実習である。
(八) 文書処理
「文書処理」は三年次の普職選択にて履修・実習している。内容は経営活動と文書情報との関わり、機器の利用、基本文書の作成(社内文書・社外文書)、文書情報の管理などについて学習する。これを通じ文書作成上の基礎的な知識と技術、機器を用いて文害を作成する知識や技術、また文書の取り扱いに関する実践的な能力が身に付くよう指導している。
(九) 総合実践
「総合実践」は二・三年次に全員履修・実習している。
@文書を中心とした基礎的実習
二年次では、おもに応対の仕方と文書作成の基本を実習・学習する。具体的には一人一人が卸売商の店主となり、全貝が同一の業務一手形の振り出しや伝票の起票など)を同時進行的に処理する。売買取引や取引文書(見積依頼書から領収書一など一連の商品売買に関する業務を実践的に行い、商業活動に必要な知識と技術を身につけるとともに、ひろく商品流通のしくみや商業活動についての知識や理解を深めることができる。
A実務的な取引演習・実習
三年次では、さらに発展した実務的な演習を行い、事務処理にいっそう習熟できるようにする。具体的には三・四人で一杜が構成され、全体で十数杜の会社形態をとりその会杜問で文書作成・記帳などをできるだけ実務に近い形で実習する。その内容は経理担当者の中心的業務は企業の主たる帳簿類一仕訳帳・総勘定元帳や補助簿一の記帳である。二課一仕入課)は商品の仕入業務に関するいっさいの取引を行い、主に発注・検収・代金の支払い業務を担当する。一課(販売課)は受注・出荷・代金の回収業務を担当する。これによりビジネス業務に従事するために必要な能力が身に付くよう指導している。
生活科学科
一 教育目標
地域の農業、情報処理ならびに家庭生活に関する知識と技術を習得させ、人間性豊かな社会人としての合理的・科学的な能力と態度を育てる。
○広い視野に立って合理的な家庭生活を営む態度を育てる。
○伝承的な文化を大切に心豊かな生活を営む態度を育てる。
教育内容の特色
(1)教科「家庭」および「農業」の専門科目を履修させる。
(2)一年次基礎教科、科目、二・三年次専門教科、科目を履修させ、加えて一二年次に生徒の興味・関心・能力・適性・進路に適応した選択制を導入する。
(3)日将来の進路選択や健全な家庭生活を築くために必要な資格取得や教育を図る。
○日本語文書処理技能検定
○実用英語検定O華道(龍生派)
○文部省認定硬筆書写技能検定
(4)地域との連携を密にし、奉仕的な活動や、勤労にかかわる体験的な活動の機会を取り入れ、心豊かで、健全な生活感を身につけさせる。
○生活改善グループヘの参加
○看護婦・保母等の体験学習
○町産業祭への参加O地域農家との連携による農業学習
三 学習内容
(一) 家庭科目
家庭一般
家庭経営・衣食住生活・母性の健康・保育など家庭生活に必要な基礎的な知識と技術を習得する。基礎縫い・調理実習を四回程度行っている。
被服
被服製作の技術の習得にとどまらず、被服の材料・性能・管理方法・着装などを学習し、時代に即応した機能的な衣生活を営めるようにする。また、着装の分野においては、専門講師を招いて、週二時間ずつ四カ月問にわたって、和装についての正式な礼装の知識やマナー選択被服においては、デザインを主として個々の体型に合った作品をについて学習している。
選択被服においては、デザインを主として個々の体型に合った作品を製作し着装して、感想をレポートにまとめている。
食物
栄養素の性質と代謝・食物の摂取と消化吸収・健康と栄養・食品衛生・調理の基本・献立と調理二」れらの学習を通して、時代に即応した合理的な食生活が経営でき、さらに日常生活が健康に送れるような知識と技術を習得する。調理実習は年問十回程度行っている。
選択食物においては、食事の様式と調理、地域の特色を生かした行事食や食品の加工と貯蔵について学習している。実習については、家庭でできる加工品、貯蔵品を主に五回程度行っている。
保育
親と子ども、生命の誕牛乳幼児の雲目の特徴、乳幼児の健康な心身の発達と生活、乳幼児の遊びと児童文化、児童の福祉、これらの学習を通し母性の責任を白覚し、正しい児童観を養い子どもの健全な成長をはかる能力と態度を養っている。
選択手芸
染色、刺しゅう、編み物、装飾品の製作をとおして基本的な技術を習得し、美的感覚をみがくとともに情操を豊かにし、生活に潤いをみいだす態度を養っている。
家庭看護・福祉
高齢者の家庭での看護を目的として、食事とくすり、からだの清潔・排泄の世話など、実習を通して実践力を養うとともに高齢者の健康を管理することのできる能力と態度を養っている。
選択看護においては、シニア体験を通し高齢者の理解を深め福祉の心を養っている。
(二) 農業科目
農業基礎
一期には、バラ.カスミ草・キク・その他ドライラフーにするための花の土作り、は種、移植および栽培技術と管理を学び、また、それらを使った装飾品の製作をする。二学期には、ダイコンを栽培し生育調査をしながらプロジェクトとしてまとめる。
生活園芸
野菜や果樹の栽培を学ぶ前に、一つ一つの食物が私達の生活に深く関わり、健康を守るうえでも病気にかからないようにするうえでも大切だということを実生活に基づいて学ばせる。又、興味を持った野菜の作り方や栄養素にはどのようなものがあるか班ごとに調べさせ、実際一人一人が栽培できるよう指導する。
総合実習
一年次:四つの専攻で実習を行う。
園芸デザイン
花を用いた室内用の装飾品を製作するため、花の栽培を行う。バラやキク、ドライフラワー用草花、花壇苗の栽培管理を学ぶ。
中小動物
豚舎の清掃・豚の飼育管理を学ぶ。
植物工場
ハウスの中で、野菜の土作りから、は種、管理、収穫、調整までを学ぶ。メロン、トマトの他、チンゲン菜やヤマイモの栽培管理をする。
緑化材料
勢定・枝切りなどの樹木の管理、庭園造り、垣根の製作、造園圃場の管理を行う。
二年次:五つの専攻で実習を行う。
酪農
牛舎の清掃、除ふん、給餌、搾乳の準備、ブラシングなどの牛の管理を学ぶ。
草花
シクラメンを中心にプリムラ類、インパチェンス、カランコエなどの栽培管理を学ぶ。土作り、土壌消毒、は種、移植、鉢上げ、鉢替えなど販売までの過程を学ぶ。
果樹
ナシ、カキ、クリ、ウメ、キウイ、ブドウなどの管理・収穫調整を学ぶ。受粉、摘果、勢定、施肥などの作業を学ぶ。
露地野菜
トウモロコシ、ネギ、ゴボウ、ダイコン、ニンジンなどの管理、収穫調整を学ぶ。低農薬、有機農法のための土作りを学ぶ。
温室野菜
土耕のキュウリ、トマトの土作り、は種、接ぎ木、鉢上げ、誘引、ホルモン処理、整板などの作業を学ぶ。HFT水耕栽培のチンゲン菜、タア菜、サラダ菜などの管理、収穫調整を学ぶ。
農業情報処理
情報社会といわれる現在に情報をじょうずに使って判断し、行動することが、ますます大切になってきている。そのため、多くの情報を集めて、能率よく処理し、じょうずに活用する技術と能力を身につけることが必要である。内容としては、「一太郎」「エクセル」などを使って文書の入力練習や表計算、電子メールの送信や受信などを行って
農業会計
商業簿記の学習を中心に、簿記の基本的な知識と技術を身につけさせ日常生活の中でおこりうる諸問題を合理的に考え処理する能力と態度を育てる。また、簿記能力検定四級が受験可能となる。