式 辞
 梅の花が馥郁として、春のおとずれを感じます今日の佳き日に、千葉県教育委員会高橋 諭(さとし)先生ををはじめ、後援会、同窓会、PTA、近隣中学校等多数の来賓各位の御臨席を賜り、保護者各位多数出席のもと平成八年度卒業証書授与式を挙行できますことは、本校にとりまして、この上ない喜びであります。
 御来賓の方々、並びに保護者の御臨席に厚く御礼申し上げす。
 本日、ここに卒業証書を手にした諸君、卒業おめでとう。三か年の蛍雪の功なって本校を巣立ちゆく諸君に心からお祝いを申し上げます。
 省みますと、卒業生諸君は桜花爛漫の平成六年四月、希望に燃えて本校の校門をくぐり、以来三星霜、光陰矢の如しと申しますが、先生方との学習の数々、友達との語らいや励まし合い、体育祭や宮谷祭、修学旅行等の行事、暑さ寒さの厳しかった仮校舎での学習、部活動への情熱などが胸中に去来し、感慨ひとしおのことと思います。
 諸君は、この三か年間、誠実勤勉・敬愛の校訓を胸に本校の輝かしい伝統と校風のもと、農業や農業に関連する産業に関しての学習をとおして、逞しく生きる力と勇気を体得すべく努力を続けました。改めて、諸君の学業の成果を称え祝福を送ります。
 なお、今日のこの姿は、諸君一人一人の努力もさることながら、諸君のまわりの多くの人々の好意と協力によって得られたものであります。日夜愛情を注がれた御家族、後援会や同窓会、PTAの方々、小中学校時代の先生方を始め、地域の方々の御支援、御指導に今、改めて感謝の心を捧げることを忘れてはなりません。感謝の気持ちを胸に刻み母校の名に恥じない、そして周囲の期待に背かない立派な社会人として胸を張り、目標に向かって逞しく前進してください。
 さて、目を外に向ける時、今日の世界は大きな進展を見せておりますが、一方解決すべき課題が多くあります。やがて来るであろう高齢化社会、重油流失等による地球的規模の環境破壊、人口問題と飢餓、経済摩擦など多数がありまます。またこのことは国際社会に生きるわが国の課題でもあります。
 これら諸課題の解決を目指してゆくには日本的規模ばかりでなく世界的視野で幅広く物事を判断し、解決しなければなりません。間近に迫った二十一世紀に活躍する卒業生諸君の社会的使命は重いといえます。皆さんはこれまでの本校でで培った経験を土台に、さらに勉強を重ね生涯にわたり学習する基本的姿勢を大切にして、自己の生きがいを支え、社会に貢献する人生を築いて欲しいと思います。自分を大切にすることは他人を大切しひいては社会全体を大切にする事にもつながってきます。
 惜別の情こみあがるこの機にのぞみ、巣立ちゆく諸君にはなむけの言葉を贈ります。それは何事にも誠意をもって努力せよということであります。人の世は信頼関係で成り立っているといっても過言ではありません。信頼は、何事にも誠意をもって努力している姿から生み出されるものであることを心に銘記して、努力してください。
 なお、これから長い人生の中で、何度か壁につき当たり、つまずくことがありましょう。つまづいた時、そこから脱却する方法を自分で考え実行しなければなりません。本校の校歌にあるように反省の上に立った物事の判断は、必ずや諸君を良い方向に向けてくれると思います。山武農業高校の精神的支えである見返り松の心をいつまでも大切にしていただきたいと思います。
 諸君は、山武農業高校において生命を育てるという貴重な体験学習をとおして、豊かな心と実践力を身につけました。謙虚な心を持ちつつも自分を信じ自信を持って、一歩一歩明日に向かって歩んでくれるよう期待して止みません。
 終わりにあたり、保護者の皆様に一言御礼を申し上げます。私共職員一同、御子弟をお預かりしてから三年、御期待に添えない点も多々あったかと存じますが、御師弟の教育に全力を傾注して来たつもりでございます。この間、本校教育推進のために物心両面にわたり御支援をいただき、本当にありがとうございました。本校に寄せられました数々の御協力に衷心より感謝を申し上げる次第であります。
 最後に卒業生諸君の限りない御活躍と前途の御多幸を祈念して、式辞と致します。
 平成九年三月七日
 千葉県立山武農業高等学校長
       石 井 祐 輔