【平成14年7月18日 PTA親子協議会報】
「交通安全教育」をとおして心の教育を   校長 冨澤 哲
 
 一昨年は創立八十周年記念事業、昨年は日本学校農業クラブ全国大会と二ヶ年に渡り大きな事業が続き、その遂行に際し、PTA・交通安全教育推進親子協議会会員の皆様には絶大なる御尽力をいただきましたことを改めまして厚く御礼申し上げます。また、平素より本校教育活動の推進に対し、御理解を賜り、深く感謝いたします。
 さて、新しい世紀が幕を開けた現在、科学技術の発展、中でも情報化の更なる進展等により、世界的・地球的規模で産業・経済・社会などの構造の変化が進行し、我が国においても国民生活のあらゆる分野に「ゆがみ」や「ゆらぎ」を生じさせております。
 また、この半世紀、我が国は驚異的な経済発展を遂げ、「物質的には豊かな生活を享受してきた反面、心の豊かさを失いつつある」と言われております。今日見られる自己中心的・短絡的な行為が年齢を問わず多発している状況や、家庭や社会の教育力の低下に伴う社会性の欠如などは、豊かな心を失した「ゆがみ」や「ゆらぎ」の現れの一端と捉えることができるのではないでしょうか。
 この憂慮すべきことの解決のためにも、学校・家庭・地域社会が一体となり、一人一人の人間の「質」即ち「豊かな心」を高めていく教育が重要で急務であります。
 また、来年度から実施される、新しい学習指導要領でも、「人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、豊かな心を持たせる」ような「道徳性を養う」教育が大きな柱となっております。
 その点、農業高校である本校は、日々農業実習に汗を流し、勤労の精神を培い、また、植物を育て、動物を飼育することで生命の尊重や生き物に対する慈しみの心が養成されるよう、教育をしているところです。
 加えて、本校はかねてより、「交通安全教育推進親子協議会」等を通じて、交通安全に力を入れております。交通安全教育は、「生命尊重の精神」は言うにおよばず、交通法規を守り社会的責任感を育てる「遵法の精神」やお互いに道を譲り合うなど社会的協調性を養成する「互助の精神」、老人や子供を交通事故から守る等、好ましい人間関係の形成を涵養する「他人を思いやる心」など「道徳性を養う」恰好の題材と言っても過言では有りません。
 今年度と来年度の二か年に渡り、昭和四十六年度発足した「交通安全教育推進親子協議会」をより発展的に見直し、継承するために、文部科学省等の指定を受け、交通安全教育の研究を行うことになりました。この大きな目的は、生徒の生命を輪禍から守ることはもちろんのこと、上記に掲げた、豊かな心を育てる道徳的側面も「ねらい」としていることを御理解いただき、保護者の皆様の更なる御支援・御協力をお願いして、あいさつといたします。